困難に堪えて居る時分には
非常な困難でも随分辛抱し易いが、
安楽に慣れて居ると
少しの辛抱すら辛いようになるものであると深く感じました。
河口 慧海 かわぐち えかい
黄檗宗僧侶
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人は、自分も、比較して自分の立ち位置を理解します。
世界の貧しい国と比べて幸せだと感じる。
世界の裕福な人と比べて、不幸だと感じる。
他国や他者と比較するだけでなく、
自分とも比較して立ち位置を理解します。
ずっと裕福な家庭で育った人は
多少の貧乏生活にも耐えがたいほどの苦痛を感じるでしょう。
ずっと貧乏で育った人にとって、
たまのロイヤルホストが
超高級料理のように感じるなんてことも。
どっちが幸せかと決めつけることはできない。
でも、こと我が子を育てるときは
このことに注意をしなければならない。
ぬるま湯の環境で育てていけば、
ぬるま湯から出られない人間になってしまう。
一億総中流と言われた日本。
ある程度の生活ができている子どもたちだからこそ
あえて負荷をかけて、
厳しい環境を与えてあげることも必要かもしれません。
これは子どもだけではなく
自分に対しても。
ちょっと階段を使ってみる。
そんなちょっとの負荷を積み重ねて、
安楽な状況を少しでも変化させることが
幸せに生きるコツだと思います。